私は、勉強ができなくて、若い頃本当に苦労しました。挫折を繰り返し、なんと8年間も学生生活を送ったという経験の持ち主です。
1.苦労の連続
高校を卒業して即なんの迷いもなく、浪人生活へ。1年間結構まじめに頑張りましたが、15校受験してすべて不合格。泣く泣く二浪目に突入し、3度目の受験シーズンがやってきて、7、8校受験しましたが志望校には合格できず、不本意なまま進学することに。
そんなこともあって、コンプレックスの塊で、自信が持てず、未来に期待ももてないダメダメな人間でした。
大学2回生のとき、一般教養の単位を他の大学に移管し編入できる制度があることを知り、その試験勉強を始め、臨みました。しかし、ここでも全敗。「この先、どうすりゃいいの。」という感じで、すでに25校くらい不合格を経験していました。
それでも、何度も負けた大学受験という土俵で、一度いいから納得のいく「勝ち」を手に入れたいという思いがあり、4回生のときに再び編入試験を受け、やっと納得のいく結果がでました。
前置きが長くなってしまいましたが、最後の編入試験に臨んだ時、どのような勉強をしたのか、という話をしたいと思います。
2.とっておきの勉強法
受験科目は、英語と経済学と小論文でした。
まず、英語は、過去問を研究。編入試験は、狭き門ですので当然赤本のようなものはありません。大学の事務局に行き、窓口で閲覧し、コピーも許されませんでしたので、立ったまま必死でノートに書き写したのを覚えています。
英語は、経済学部の試験だから経済学系の論文の読解などが出るだろうとヤマをはり、経済学の論文に出てきそうな単語を徹底的に勉強し、なんとかクリアしました。
また、小論文はそこそこ自信があったので、それほど時間をかけませんでしたが、問題は経済学の勉強。これは、工夫を重ね、計画的戦略的に取り組みました。
まずは、にわかに頭に叩き込むのではなく、“自分のものにする”ことを心がけ、経済学の本を5冊買って、それを並行して読んでいきました。
この5冊というのがミソで、まず、大人の人が手に取るような、いかにも難しそうな「経済概論」とかいうのを1冊。次にもう少し分かりやすく書かれている同じく「経済概論」を1冊。そして、3冊目は、初級から中級くらいの「経済概論」的なのもの。そして、4冊目は、図解が中心の非常に分かりやすい超初級編のような本を1冊。5冊目は、「マンガDE学ぶ経済学」みたいなマンガ本。これで準備は完了。
たとえば、「損益分岐点」を勉強するのであれば、同じ項目の部分を5冊同時に読んでいきます。1冊目と2冊目だけを読むだけなら頭に入らないものでも、残りの3冊と一緒に読むことで、「損益分岐点」ってこういうことだったのか、と理解を深めることができます。
いわば、会ったことのない人(Aさんとしましょう)のことについて、その人をよく知る友達から「Aさんはこういう人だよ」と説明を受けるようなものです。一人の人の説明だけでは分からなくても、5人の声を総合すると「Aさんってこういう人なのか」と理解できると思います。その手法を取り入れた訳です。
この勉強法は、社会人になってからも生きています。初めてIR(インベスターリレーション)の仕事に就くときも、事前に関連の本を買い込み、同じテーマについて複数の本で勉強しました。頭をひねり、苦労して生み出したものは、尊いなと思いました。
以上、ご参考になったでしょうか。
出来が悪かったおかげで、誰よりも長く受験勉強をしたので、また、参考になる勉強法などがあれば、お伝えできればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
小野正誉
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