【土肥】『資格』は、ただの「入場券」

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こんにちは。経営コンサルタントで公認会計士の土肥卓哉です。
あなたにとって、『資格』とは何ですか?
今日は、少し客観的に『資格』という言葉を眺めてみようと思います。

 

 

1. 『資格』とは何か?

 

『資格』という言葉をwikipediaで引いてみると、「資格(しかく、英:Qualification/Certificate)とは、ある行為を行うために必要若しくは相応しいとされる地位や立場をいう」とある。

 

なんか難しいですよね。

 

 

なので、小学生向けの辞書で引いてみる。小難しいことを考える時は、小学生にもわかる言葉を使うのが一番。

 

 

たまたま家にあった「チャレンジ小学国語辞典第五版」を参照してみると、

①ある仕事をする力があるという証明。 例:栄養士の資格をとる。
②あることをするときの、そのひとの立場。 例:学級代表の資格で児童会に出席した。
とある。

 

 

なるほど。『資格』とは、「証明」あるいは「立場」であるようだ。

 

つまり、『資格』は、「状態」であり、「行為」ではない。あくまでも、周りの人があなたに対して「ある仕事や行為をしてもいいよ」と許してくれた「状態」に過ぎない。

 

逆に言えば、誰もあなたに対して「ぜひ、その仕事や行為をしてください」とは言っていないのである。「やってもいいよ」と言っているだけである。

 

その仕事や行為をやるかやらないか。『資格』は、その選択肢を与えてくれる。逆に、『資格』がなければ、その仕事や行為をやるという選択肢が与えられない。

 

ただ、仮に選択肢が与えられたとしても、その仕事や行為をやるかどうかを決めるのは、自分自身である。

 

 

2. 『資格』がないと何に困るのか?

 

で、そもそもなのですが、『資格』がないと何に困るのでしょうか?
つまり、周りの人があなたに対して「ある仕事や行為をしてもいいよ」と許してくれなければ、何に困るのでしょうか?

 

 

答えは、もちろん。何も困らない、ですよね?
だって、『資格』が必要な仕事や行為をしなきゃいいだけですから。

 

 

例えば、監査証明業務という仕事は、公認会計士という『資格』がなければできません。なので、どうしても監査証明業務をやりたいという人は、公認会計士という『資格』を持たなければなりません。

 

 

でも、だからと言って、何かに困る訳ではないですよね?

 

 

やりたいことをやるために『資格』がいる。だから、その『資格』を取る。
もちろん、なかなかその『資格』を取れなければ辛い時期を過ごすでしょう。ただ、それは当然のこと。

 

 

野球をやりたければ、道具を揃え、技術を身につけ、場所を確保し、メンバーを集める必要がある。ルールも覚えなければならないし、練習もしなければならない。やりたいことをやれるようになるまでには、努力や辛抱が必要。

 

 

『資格』を取る、という過程は、それと同じこと。たとえ取得に時間がかかったとしても、別に何かに困っている訳ではない。やりたいことをやるためにその『資格』が必要。だから、たとえ辛くても続ける。どうしても嫌なら、止めればいい。

 

 

野球は、あまたあるスポーツのほんの一つに過ぎない。監査証明業務も、数ある仕事の中のたった一つに過ぎない。それができないからといって仕事がない訳ではない。人生を失う訳ではない。であれば、たとえ『資格』がなくても何かに困る訳ではない。

 

 

いかがでしょう?

 

 

3. なぜ『資格』にこだわるのか?

 

じゃあ、なんで『資格』を取るのか。『資格』にこだわるのか。

 

 

「やりたいことをやる」ためでしょうか?
それとも、「やりたくないことをやらない」ためでしょうか?

 

 

「やりたいことをやる」ためではなく、「やりたくないことをやらない」ために、『資格』にこだわる。
もしそうだとすると、それは大変なことです。
現状否定が許されたとしても、やりたい仕事に出会えるとは限らないからです。

 

 

つまり、嫌な仕事Aがある。ここから逃れるために、資格Xを取る。これにより、嫌な仕事A以外の仕事Bができるようになる。だからといって、仕事Bが自分のやりたい仕事かどうかはわからない。まして、その仕事が自分の一生の仕事になるかどうかはわからない。

 

 

正直、そこまで『資格』に期待しちゃイカンと思うんですよね。だって、『資格』は、ある仕事や行為をするための「入場券」に過ぎない訳ですから。そこに入場した後にやりたいことが描けていないのであれば、入場した後に困ります。

 

 

ディズニーランドに入場すれば楽しいことが待っているかもしれませんが、実際に楽しいかどうかは誰にもわかりません。

 

 

それでも入場してみるんだ、ということであれば、しっかりその『資格』を目指しましょう。そして、入場してからやりたいことを見つけましょう。

 

 

あなたにとって、『資格』とは何ですか?
嫌な仕事から逃れるための「頼みの綱」でしょうか。
見果てぬ夢を運んで来てくれる「魔法の杖」でしょうか。
それとも、自分がやりたいことをやるための「入場券」でしょうか。

 

 

漠然と資格に期待しても得られるものは少ないかもしれません。
期待するなら、自分に期待するのが一番です。

 

やりたいことをやりましょう。
ぜひ自分を信じてあげてください。

 

 

土肥卓哉

 

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