「褒めると調子に乗って失敗し、叱ると発奮して成果を出す。だから叱る方がいい」
と言われたときに、「あーなるほど」と思いますか。実はこれ、思い違いです。
1.バイオリズム
人間には誰でも調子の波があり、良いときも悪いときもあります。
好調なときは、そのうち調子が落ちてきます。
逆に不調なときは、しばらくすると調子が上向いてきます。
さて、「褒められる」のはどんなときでしょうか。
大抵、好調なときですよね。
では、叱られるのは?
大抵、不調のときです。
つまり、
(好調なときは、)褒めらると調子に乗って、そのうち調子が落ちていきます。
(不調なときは、)叱られると発奮して、しばらくすると調子が上向いてきます。
カッコの位置をずらしてみます。
好調なときは、(褒められると調子に乗って、)そのうち調子が落ちていきます。
不調なときは、(叱られると発奮して、)しばらくすると調子が上向いてきます。
文章を見比べてみてください。「褒める」「叱る」は関係ないですよね。
2.で、どっちが効果ある?
断然「褒める」です。
人間には防衛本能があり、恐怖感を感じることに対しては
「攻撃」「逃避」「停止(フリーズ)」のいずれかの反応を取ります。
叱られて恐怖感を感じると、
攻撃:反論する、キレる、暴れる、・・・
逃避:他のことを考える、離れる、言い訳する、・・・
停止:固まる、黙り込む、・・・
といった反応を取ります。
つまり、「聞いていない」。
当然、指摘されたことは直りません。
「褒められたこと」は脳に入ります。そして、同じことをもう一回やろうとします。上手くいったやり方を続けていれば、成果は出やすくなります。
では、何かを直して欲しいときは?
サンドイッチにします。
「いいところを伝える」
「直して欲しいところを伝える」
「いいところを伝える」
こうすると、真ん中部分も聞いてもらえます。
3.自分に対しても使えます
さて、「自分が悪いことがわかっているのに受け入れられない」という経験は誰にでもあると思います。
なぜそうなるかというと、“自己否定”は恐怖だからです。当然、自己否定に対しても防衛本能が働き、攻撃・逃避・停止のいずれかの反応が生じます。
では、自分が悪いことを受け入れるには?
自分に対しても、サンドイッチにして伝えます。
「いいところを考える」
「直したいところを考える」
「いいところを考える」
そうすると、直したいところを受け入れられるようになります。
4.調子がいいときは?
どんどん調子に乗ってください。そのうち調子は落ちてきますが、「そういうものだ」と分かっていたら大丈夫です。
調子が悪いときにサンドイッチで悪いところを受け入れ、
調子がいいときには調子に乗ってどんどん進んでいくと、
好不調の波を繰り返しながらもだんだん成長していきます。
ということで、「サンドイッチ」是非ためしてみてください(^_^)/
阿部洋太郎
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