資格は役に立つのか。資格で飯が食えるのか。そういう疑問を良く耳にします。一方、実際に資格を取得した人が、資格取得の前後で、何がどう変わったのかを聞く機会はあまりないのではないでしょうか?
自分勝手な思い込みではなく、専門学校の受け売りでもなく、具体的かつ実際的に資格取得後の未来を描いてみる。それができれば、資格取得の意味が明らかになり、やる気も出てくるのではないか。
今日は、そんな思いから、私の資格取得のビフォーアフターをご紹介します。
ただし、これはあくまでも私個人が感じたこと、資格は公認会計士、さらには15年以上も前の話です。その点は十二分に割り引いて読んでくださいね。
1. 仕事の不安がなくなった
一番大きなビフォーアフターは、仕事の不安がなくなったことです。そして、収入も安定しました。
私は、受験2年目に、講師と受験生の二足のわらじを履いていました。なので、受験中も仕事はありました。でも、非常勤なので雇用は保証されていません。今年、試験に合格しなければ、来年は講師の職はないかもしれない。そういうプレッシャーがありました。
また、試験数ヶ月前には、講師の仕事を休止して、受験勉強に専念することになります。その間、給料はなくなります。それより何より、講師なのに受け持ちの受験生から離れることになります。心のどこかで申し訳ないな、と思う気持ちがありました。でも、いま私が第一に成すべきことは、試験に合格すること。来年、こんな不安定な状態で仕事をせずに済むようになること。それが、会社(専門学校)に対しても、受験生に対しても、最も大切なことなんだと自分に言い聞かせていました。
おかげさまで、試験合格後は、①正社員として雇用が安定し、②講師として本来成すべき仕事に没頭できるようになり、③会計士試験合格者と同水準の給与を頂けるようになりました。
2. 人を喜ばせたくなった
二番目のビフォーアフターは、人を喜ばせたくなったことです。わかりやすく言えば、人に贈り物をできるようになりました。
合格前は、お金に余裕がないということもありますが、それ以上に、心にゆとりがない訳です。受験中は、人に優しくしようとか、人を思いやろうという気持ちがどうしても抑えられがちです。
自分はこんなに頑張っている、自分だけがこんなに頑張っている。周りの人に負けたくない、周りの人を見返したい。人から認められたい、まず自分を認めて欲しい。そういう気持ちが前面に出て来てしまうからだと思います。
おかげさまで、試験合格後は、収入が安定したこともあり、心のゆとりが生まれ、①自分にご褒美を買ってあげられるようになり、②受験生にもおごってあげられるようになり、③親にもプレゼントを買ってあげられるようになりました。
ただ、贈り物って、お金をかけなくてもできるんですよね。手紙を書くとか、花を摘んでくるとか、その人が知りたいことを教えてあげるとか。心にゆとりを持ちさえすれば、受験中でも、できることは沢山あると思います。
3. 引け目が自信に変わった
最後のビフォーアフターは、引け目が自信に変わったことです。つまり、自分は間違っていないと思えるようになりました。
私は、合格前に講師をやっていたくらいなので、自分には自信がありました。というか、そもそも絶対1年目で合格できると思っていたからこそ、講師をやると決めていた訳です。なのに蓋を開けてみると、不合格。そりゃ、自信なくなりますよね。自分のやり方は間違っていたのかもしれない、と自分で自分を疑い始める訳です。
資格試験の怖いところは、不合格が自分の存在否定につながる危険を持っていることです。
もともと資格試験は、ただの試験です。合格点を取れれば合格、合格点を取れなければ不合格。ただそれだけ。なのに、合格点を取れるまで勉強できなかった自分の努力の至らなさを責めたり、何回問題を解いても間違ってしまう自分の能力の低さを嘆いたり、果ては何でこの試験に挑もうなんてバカなことを考えてしまったんだろうという自分の意思の愚かさに呆れかえったりしてしまう。
やがて、自分の存在が周りの人たちに迷惑をかけているんじゃないかと引け目を感じてしまう。結果、社会の中での自分の居場所を見失ったり、親や自分を援助してくれている人に対する申し訳なさを感じたりしてしまう。悪循環に陥ってしまう訳です。もとを辿れば、単に試験対策や勉強のやり方が間違っているだけなのに。
おかげさまで、試験合格後は、①自分のやり方に自信を持ち、②社会の中での居場所を見つけ、③親に対しても、正々堂々と自分の道を歩んでいるんだと胸を張れるようになりました。
公認会計士は合格することで、専門職として仕事に就ける可能性の高い(ほぼ監査法人に就職する)国家資格なので、少し違った感じになるかもしれませんが、資格取得後の未来を一度描いてみてくださいね。
あなたは、どんなビフォーアフターを描いていますか?
勉強、仕事の息抜きとして、ちょっと想像してみてはいかがでしょうか?
自分が意外なものを求めていることに気づけるかもしれません。
やりたいことが見えて来るかもしれません。
ぜひ素敵な未来を想い描いてみてください。
最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。
土肥卓哉
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