みなさま、はじめまして。松尾規子です。職業はふつーのサラリーマン。今日は私からお話をさせていただきますね。あれ?昨日の土肥さんの様な泣く子も黙る国家資格保有者ではないふつーのサラリーマンが資格の話?と思われたのではないでしょうか。
私の就業している業界は業界固有の資格があり、その固有の資格に合格しなければ仕事ができないこともあります。例えば、生保一般課程試験(生保募集人試験)は、生命保険の勧誘や販売をする人は、全員受験し、合格しなければならない試験です。生命保険の営業職の人以外も、生命保険会社や損害保険会社などの金融機関に勤務する人は、一般職や総合職を問わず受験することになります。
就職先によっては自分の職種に直結するケースも多い為、学生時代だけでなく、大人になっても勉強が続きます。社会人にとって家庭や仕事を抱え「時間がない!」等、資格試験の勉強は受験勉強も合格後の勉強も大きな壁となって立ちはだかります。私も就職後、心の中で「この資格って本当に役に立つの?」って思いながら「仕事で必要だし」と自分を納得させて受験した資格は両手では間に合いません。
では、あなたにとって資格とはなんでしょう?
1.資格の「有利」、「役立つ」の意味なに?
「資格って本当に役に立つの?」 資格を目指す人誰もが、必ず一度は聞いてみたい質問・・・それが、これではないでしょうか。私が学生時代、当時短大の就職課(今で言うキャリアセンター)から英検、秘書検定試験、簿記等は取得すべき的な説明がありました。
そして、素直に私は受験、短大卒業までに上記3つの資格を取得しました。
(あくまでも個人的な感想ですが、この3つの資格が直接当時の就職活動に有利になったようには感じていません。)
昨年1年間、私がキャリアカウンセラーの資格ホルダーとして、ある専門学校での資格受講説明会に登壇をさせていただきました。ここでのお話を書かせていただきます。
登壇した説明会の質疑応答でほぼ毎回あがった質問ベスト3がこの質問です。
「資格を取れば、人生が変わりますか」
「何か、とてつもなくいい(おいしいはなし)話がありますか」
「今の会社から、もっといい会社に転職できますか
(この資格で○○に就職できますか?)」
これに次が加わると、ほぼどの資格受験にも共通する資格の「有利」、「役に立つ」の意味に近いかもしれませんね。
「嫌な上司に顔を合わせずにすみ、自分で独立できますか。」
「就職戦線をらくに突破することができますか」 など、など。
もちろん人によって言葉の意味は多様です。「役に立つ」、「有利」って、人それぞれことなりますよね。では、あなたの求める「役に立つ」、「有利」はどんなことでしょう。
2.「でも、そんなことできません」と言ってしまうのはなぜ?
資格合格後どんな方々がどんな活動を行っているのか、ほんの一例を説明会でお話します。
例えば、キャリアに関する研究会や勉強会を立ち上げ若い方の支援をされている方など、合格後の方が、資格試験の受験前より自己研鑽を続けている方が大勢います。そういう方々の“資格の活かし方、役立て方”は大変参考になります。
「資格を取る事も大変だし、大切ですがそこが終着点ではないのですよ。」とお話をすると「でも、そんなことできません」とおっしゃる方が多いのも事実です。どうしてこんな質疑応答になるのか。
これはどうも、その方々が求める「役に立つ、有利」という言葉の意図するところと違った説明を私がしているからなのです。ある説明会の時に、「これだけの授業料と時間を費やすのだから、資格をとりさせすれば、なんとかなるように(専門学校)も工夫をしないと。」と参加者の方がおしゃっていました。これ!これ!
得てしてこれが、資格を目的の一つとして潜在的に考えられていることではないでしょうか。心のどこかで、こんな事を感じた事はありませんか?
「資格をとりさせすれば、なんとかなる。」
3. 資格って役に立つの
「資格をとりさえすれば なんとかなる」
「資格をとった後は、さしたる努力もしないで 」・・・。
資格を取る前提が、これしかないのであれば私は「ノー」と答えています。多くの人が資格に求めるものは、現在の状況、往々にして逆境から脱出する為の「魔法」の一つであると思っているようです。あなたも、そう思っていませんか?
それこそ、時間とお金をかけてせっかく苦労してとった資格も、これではまったく活きなくなります。
これから資格取得を考えている方は、本当にその資格が必要なのか、そもそもから考え直さなければ、無駄に時間とお金を費やすだけになってしまいます。
つまり、「資格さえあれば何とかなる」という依存状態かどうか、きちんと自己理解をすることが必要となります。
無駄にすごしそうな時間とお金があるのなら、それは、別なことに使いましょう。家族サービスをすると喜ばれるかもしれません。
もしかして一つの資格ではなく、複数の資格があれば、なんとかなる・・・
と思っている方がいれば、それは所謂「資格オタク」というキャラを確立するチャンスです。
テレビ朝日系で『100の資格を持つ女』という2時間ドラマが一年に一度放映されています。主人公は毎回、新たな資格を取得しているそうなので、このドラマを参考に100の資格に挑戦すれば、それはそれで有名になるかもしれません。
既に、資格を取っているけれど、どういかしたらいいのか判らず、迷っている。受験当時の目標を見失ってしまった、「まだ、本気をだしてないだけ」なーんて事を思っている方はちょっとキツイ言い方ですが、自分の「使えなさ」を自覚してください。
そして、これをきっかけに、取った資格を活かし、人を育てたり、業績を向上させたり、何よりも苦労して資格取得した経験に+αの価値を加えて自分を高めて見ませんか?
資格が役に立つのか、立たないのかは「あなた」次第です。
松尾規子
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